BrickDisplay: ばらばらのモニター群から飛び出す巨大空中像提示


  • 本研究では「BrickDisplay」と呼ばれる、ばらばらに配置された異なる種類のモニター群から、飛び出す巨大な空中像を提示できる技術を開発しました。

  • カギとなるのは、映像の存在しない箇所を人間の脳の補完能力によりつながって知覚できる「モーダル補完」、および映像の輝度を適切に設計すると、絵画的には逆のはずの前後関係を逆転して知覚させることのできる「透明視錯覚」です。特に後者の透明視錯覚は、ステレオ視(3D視)により強まることがわかっています。

  • BrickDisplayは、モニタ群の自動の位置・姿勢キャリブレーションと映像の適切な輝度設計により、アナグリフの赤青3D眼鏡をかけることで飛び出す巨大空中像を知覚できます。個人や中小団体の有するモニターのかき集めで巨大な立体映像を提示できる画期的な技術で、スポーツ教示やキャラクターとのインタラクションに活用できると考えています。

  • ※本プロジェクトはJST ACT-X 「リアル空間を強靭にするハードウェアの未来(強靭化ハードウェア)」領域によりサポートされています.(2021年10月~2025年10月)

図1 (a) 上:従来のモニタ群によるディスプレイの模式図(Tiled Display)。同種のモニタを整列配置する必要があり、さらにそれでもモニタのベゼルの遮蔽によりモニタ群の奥にしか立体映像提示ができないと考えられていた。
下:本提案のBrickDisplayでは、異種混合のモニタ群がばらばらに配置されており、さらに飛び出す空中像を提示することができる。
(b) BrickDisplayの外観
(c) BrickDisplayでアナグリフの3D眼鏡越しに観察した際に、知覚される像.

参考文献