多面連動デジタルサイネージによる行動・体験変容の探究


  • 近年、駅や空港など都市空間にたくさんのサイネージ(多面連動デジタルサイネージ)があることが当たり前になり、現在はそこで迫力ある広告提示などが行われている。 しかしながら、公共空間で唯一の動的な空間的視覚刺激として、従来より圧倒的多数の行動や体験を変容する可能性を秘めていると考えられる。

  • したがって本研究では、公共の都市空間における多面連動サイネージの映像を適切にデザインすることで、誰もが快適に歩きやすい公共空間を創造することをめざす。 たとえば図1(b)のように、流れる縞模様を提示することでベクション(視覚誘導性自己運動感覚)を誘起し、交通整理を実現できると考えられる。 また本プロジェクトでは、ワークショップや公共空間での公開実証実験等(図1(a))を通じて、市民との相互的な対話により適切な映像のデザインを行う(図1(c))。

  • ※本プロジェクトに関する実証実験は日本科学未来館の公募実証実験プログラム 未来をつくるラボ で行われています(2026年3月まで)
  • 実証実験の日程(随時追加します。3-4回実施します)
    - 第一回 2025年10月25日~2025年11月10日 映像で変わる?人の行動と未来のまち
    お問い合わせは下記Contactまでお気軽にどうぞ.

  • ※本プロジェクトはJSTさきがけ 「社会課題を解決する人間中心インタラクションの創出(人間中心インタラクション)」に支援されています. (2025年10月~2029年3月)

図1 (a) 都市部にある多面連動デジタルサイネージ(多数個のサイネージ)を模した実証実験の空間(日本科学未来館 1Fシンボルゾーン). (b) 品川駅の多面連動デジタルサイネージにて、動く縞模様を提示し、ベクション(視覚誘導性自己運動感覚)を誘起するイメージ図. (c) さまざまな形のサイネージ存在する未来を想像することにより、新しい切り口でサイネージと人間社会の関係性を築くことをめざす.

参考文献
  • 三河祐梨, 吹上大樹, 横坂拓巳, 久保田祐貴, 丸谷和史: 多面連動ディジタルサイネージの映像提示による臨場感に関する検討, 第30回日本バーチャルリアリティ学会 (VRSJ2025), 3A1-10, 2025年9月19日, 大阪
  • Yuri Mikawa, Yuki Kubota, Taiki Fukiage, Takumi Yokosaka, Maki Ogawa, and Kazushi Maruya: Realizing Large Spatial Display in Public Space using Multiple Discrete Signages, Pitch Your Work in the 17th Asia-Pacific Workshop on Mixed and Augmented Reality (APMAR 2025), Busan, Korea, Sep. 26th, 2025. [Best Presentation Award]
  • Best Presentation Award at APMAR2025 (Yuri Mikawa et al.: Realizing Large Spatial Display in Public Space using Multiple Discrete Signages, 2025)
  • 大型モニターの映像で変わる?人の行動と未来のまち - 「未来をつくるラボ」実証実験&ワークショップ, 日本科学未来館, 2025年9月6-7日