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Women in CG, SIGGRAPH Asia 2024(Dec 4th, 2024)
留学体験記(ドイツ ミュンヘン工科大学, 2022年6月末-2023年2月末) (Japanese only)
Presentation in Women in CG, SIGGRAPH Asia 2024
I hope the tips from this presentation slides will help someone who hopes pregnancy while conducting CG/VR/AR research.
留学体験記 (Japanese only)
ミュンヘン工科大学(TUM),
Department of Informatics
(Garchingキャンパス)
2022年6月末~2023年2月末 の8か月間の滞在.
住居
ユーロエステート(日本人が経営するヨーロッパの住居紹介サービス)で契約.
手数料は高いが、日本的な良心的で迅速なサービス◎
ドイツの住居契約は基本的に現地の家の見学が必須なので、それが不要になるのも〇
ミュンヘンは住居不足が深刻なので、遅くとも半年前には探し始めた方が良い.
とはいえ超奮闘して1か月前に契約を決めた友人も何人か見た.
私は2022年1月に初めてドイツのボスとオンラインmtgをしたときに今すぐ探せと言われ、その時点で6月開始の良いアパートが無く、7月開始にずらしたほど.
家探しの決め手は、正直
オーナーが良い人かどうか
が最も大事.
オーナーの対応が酷く、トイレが1か月間壊れっぱなしという友人も見た. 次の入居者と間隔が空いたことを理由に退去後にさらに家賃を請求され、弁護士沙汰になった件も聞いた.
私のオーナーは本当に良い人で、Whatsappで英語でいつでもやり取りできた. ドイツの良いSIM会社を教えてくれるなど生活のことも相談できたし、家のガスが止まったとき(後述)も親身に対応してくれた.
元々ユーロエステートにオーナーがかなり良い人と紹介を受けて決めたので、横着せずに、手数料をかけてでも良い仲介サイトで決めるべき. 家トラブルが発生するとずっと付いて回って、貴重な留学の期間で無駄な労力が発生する.
ミュンヘンは家賃が高いのは覚悟(家具家電付きだと、シェアハウス(WG)で800€~、一人暮らしで1100€~).
交換留学なら寮が貰えるが、寮の空きもかなり無く決まるまでドキドキしそう.
東大で交換留学の場合、卒業の2カ月前までに交換留学を終える(=東大に籍を戻す)必要がありやや柔軟でない.
私は、事由はよく分からなかったが国際交流室のスタッフに、単位取得が不要なら交換留学なしの方が良いと勧められ、東大に籍を残したまま留学.
洗濯機なしなど、妥協すると家賃はより下がる
初日はホテル1泊滞在がオススメ. 長距離フライトで疲れた身体そのままに入居手続きし、慣れない土地でトイレットペーパー等の必需品を探すのは酷.
戦争の影響でガス・電気代が爆上がりしている. 私は比較的短期かつオーナーが親切だったので家賃の値上がりは無かったが、もっと長く住む人は上がったと聞いたし、実際、今の家への新規入居だと家賃が100€上がっている.
日本と違って、たしかガスは半年or1年で差分を調整するシステムで、そこで多額が請求される件も聞いた. (短期なら見逃してもらえると思う)
留学先(国・大学・研究室)探し
自分と類似の研究、かつ治安の良さで考えると元々ドイツ・スイス・スウェーデンが挙がっており、物価の安さの点でドイツが元からピカイチだった.
研究で購入する機材のメーカーにドイツがかなり多かったことから、産業大国の風土を実際に住んで体感したかった.
日本でいう東工大が台頭する国で、実際エンジニアがかなり多いと聞いた.
実際に住む中で、合理性を重視する雰囲気、経済の潤い、国の豊かさをまざまざと感じた.
色々探した挙句、同じARの分野で現在准教授の先輩のご出身のドイツのラボをご紹介いただいた.
ボスが女性だった、私はビッグラボにしか居たことがなかったので少人数のアットホームラボに行ってみたかった、というのも決め手
ただ、ドイツは学費無料で学生数が多すぎるので、研究室への正式所属は博士から。博士+スタッフで10人ほどのラボだったが、その下に付いていた学部~修士の人数も考えると、結局総人数は多い.
「競争ではなく協力」を掲げる研究室で、ボス・同僚とは仲良く分け隔てなく話せて、非常に居心地が良かった。(ドイツののんびりな国民性もあると思う)
研究内容がドンピシャでマッチしていたわけではないが、結果的に私の技術を異分野に導入する国際共同研究になり、むしろマッチしていなくて良かったと思う。
ビザ取得
3カ月以上の滞在なら住民登録(法律上2週間以内に必ず)
→オンラインでビザの申込
→約8週間後に外国人局(KVR)のappointmentの知らせが来て、そこで初めてKVRに行き、書類を本提出し、仮ビザを貰う
→6~8週間後に本ビザが自宅に届く
基本的に行政サービスはかなり遅い&酷い(日本が速すぎ・的確すぎてカルチャーショック)
まず住民登録のためのKVRの予約を、渡航後にしようとすると、予約が全部埋まっているところからドイツの洗礼を受ける. 私は日々の無限リロードで予約枠がようやく取れたが、渡航前にチェックしておくのがおすすめ.
郵便(Deutsche Post)サービスも酷く、私は家のポストに不在票が入っていて、郵便局に取りに行ったら何故か届いてないと言われ、1カ月後にKVRに返送されてようやくビザが受け取れたので、本当に遅かった.
仮ビザに関する諸説
前提:シェンゲン協定国(not EU)のビザがあれば、シェンゲン協定国内をパスポートの提示なしに自由に移動できる.
EUではないがシェンゲン協定加盟国の例は、スイス、アイスランド、ノルウェーなど。通貨は違うが移動は〇
ただ、格安バスで国境を跨ぐと結構な頻度で警官のコントロールが入り、結局パスポートやビザを見せる必要。
飛行機移動はあまり聞かれない(私は1回厳しめに聞かれたが説明で乗り切った)
仮ビザでシェンゲン協定国内を移動できるかは諸説あり、職員によって説明が違う。
私はKVRに電話で仮ビザで移動可と聞いた一方で、友人で警察署3つに聞いてドイツから出られないと説明を受け、移動を我慢した例も聞いた.
実際私は、仮ビザのみでフランス等に行けた.
ビザ申請がそもそも遅いと仮ビザ発給も遅く、日本は観光ビザが3カ月で切れるので、仮ビザすらないとドイツ出入国が難しくなるので不便. 入国即申請がおすすめ.
仮ビザのみで国境を跨いで万一問われたときに、英語で説明できる自信がない人は尚のこと.
ドイツのビザ発給が遅い事情はみな理解してるので、割と見逃してくれるとも聞いた.
仮ビザでは、シェンゲン協定国を出てからドイツに戻ってこれない. 仮ビザしかない状態で、ビジネス・有事でシェンゲン協定国を出たい場合、予約の取りづらいKVRで1週間前から緊急渡航の申請をする必要.
私は留学途中に韓国の学会に行く予定があり、その直前にこの沙汰だったので本当に大変だった(結局直前にビザがちゃんと届いた)
滞在費用
私は学振DC2・ACT-XのRAの給与に加え、学振DCの研究費+某企業の寄付金を合算で出張費とした.
海外挑戦プログラムで来ている人が多い印象だが、私は日本のメインプロジェクトで忙しく申請書を書く暇がなかった.
これまでにがむしゃらに取りに行った予算の合算で何とかはなった(円安のせいでやや足りなかったが)
お金が足りなくなっても留学経験はかけがえのないものだし、Time is moneyなので、奨学金が最低額得られたら渡航して良いと思う。(物価の安い日本でコツコツと貯金を頑張るのも〇)
ドイツは元々物価が安く、特に加工肉・乳製品・穀物類は、物価高騰・円安を加味しても安い(美味しいヨーグルトが500g 59セントなど。。)
レストランなど、人件費の絡むものは高い(その上まずい)
大学・研究環境
ドイツは正規入学で学費無料というのもあり、日本では信じられないほどの多国籍。TUMだと1割くらいはアジア人だと思う。
私の研究室はアメリカ人・ギリシャ人・日本人(私)以外はドイツ人で、超多国籍ではなかったが、
教えた修士生はエジプト人だったし、研究室外での関わりではトルコ人、メキシコ人、イタリア人、韓国人、ベトナム人、台湾人など色々
結果、英会話のハードルは低く、日本語(母語)ほど細かなニュアンスを伝えるスキルが無くても十分会話になっているよ、という空気感(ニュアンスが伝えられる方が友達は増えそうだが)。あとドイツ人は英語が上手い。
博士学生には十分な給与の貰える雇用制度がある. ただ週の半分はTAに忙殺されている印象
(特にTUMはプログラミングの実践的授業が多いので、座学よりも忙しい)
ある同僚は、火-木はTA,月・金(・土)は博論に充てているとのこと.
修士生が博士生の掲げるプロジェクトに自ら応募して参画するシステムで、博士学生はPIのような動き方.
全時間を自分の研究に投下したい人向けに、日本でいう学振のような奨学金制度もあるらしい
孫正義財団の奨学金で来た日本人で、腰を据えて研究に集中できたのは良かったという声も.
博士学生に給与を与える代わりにTA・採点などの業務も担わせ、先生(スタッフ)にゆとりがある点が良い.
博論審査は、TUMは1回・審査官は3人の一方で、東大は2回・審査官5人という違いもある.
休暇を大事にする国なので、教授が2週間の夏休みを取り、金曜午後から週末はオーストリアでスキーに行ってくるわと言うこともあり、クリスマスパーティに手作りクッキーを持ってくるなどの点が衝撃だった.
自分の意見を持ち、それをはっきり言える人が多く、その上、議論の中で自分の筋が間違っていても謝らない同僚の姿勢が非常に勉強になった. 結果、良質な議論ができて本当に良かった
ジェンダーギャップが少なく居心地が良かった
東西ドイツ時代から、東ドイツは社会主義で女性の社会進出が早かったという経緯もあると思う. ミュンヘンは元西ドイツだったので保守派だが、メルケル元首相のこともあり、強い女性像が浸透している印象だった.
入学が簡単、学費無料の一方で留年するとほぼ即退学らしく、結果博士まで残っている同僚は優秀で仕事ができ、ミーティングに遅れず、土曜日に働くこともあるという、よく聞くドイツ人とは違うタイプで日本人に近かったため、ストレスがなかった。
生活面
スーパーは安く、新鮮な食材が手に入る一方で、レストランは高い上に美味しくないので、自炊能力が必須.
日本の美味しい食事、おもてなしサービス、カラオケ、"可愛い"を重視するファッションはかなり恋しかった。
都市部なのでほぼどこでも英語が通じる。(結局一回もドイツ語を勉強しなかった)
ドイツは化学メーカーが強く、ドラッグストアでサプリが安く(30日分が3€くらいで手に入る)、基礎化粧品の種類も多い。ドイツ語が読めたらもう少し楽しめたかもと思う。
ミュンヘンは治安がかなり良く、夜中2-4時に女性一人で30分徒歩も問題なし。
ただ、私はかなり中心部に住んでいたこともあり、スーパーのすぐ外でたむろしてる物乞いに杖で足を叩かれたり、国鉄の窓の外からジュースを吹っ掛けられたり等があった(でも相当運が悪かっただけだと思う)
ベルリン・フランクフルトは治安微妙と聞く.
ドイツは豊かな自然がウリで、アウトドアが好きな人にはうってつけ。私はスキーが良かった。
インフラ修繕に億劫なようで、ガスがアパート全戸で1週間調子が悪かった(冷水しか出ない日もあった)ときは相当辛く、50回くらいオーナーに文句を言ってようやく修理に動いてもらったなど。ビザが届かなかったときもKVRに英語で口論しに行ったりなど。主張する訓練にはなった
結論
留学経験はかけがえのないものになるので、躊躇せずに飛び出すことをお勧めします!